化粧品の全成分表示には、聞き慣れない名前がたくさん並んでいます。ここでは、 nemiのデータベースの中でも特に多くの製品に使われている成分を、役割ごとに 紹介します。
保湿成分: 水分を抱え込む
保湿成分は、化粧水や美容液、クリームのほとんどに使われています。BG (ブチレングリコール)は、うるおいを保ちながら他の成分をなじませやすくする 働きがあり、軽い使用感の化粧水でよく見かけます。グリセリンも同じように水分を 引き寄せる保湿成分で、日本の化粧水からクリームまで幅広く使われている定番の 成分です。ヒアルロン酸Naは、ヒアルロン酸の塩の形になったもので、水を抱え込む 膜を作る目的で配合されます。スクワランは油性の保湿成分で、皮脂に近いなじみの よさがあり、重くなりにくいとされる成分です。
防腐成分: 水を含む処方を守る
水を含む化粧品は、時間が経つと雑菌が増えやすくなるため、ほとんどの製品に 防腐成分が使われています。フェノキシエタノールは、パラベンの代替として使われる ことが多い防腐成分で、化粧水や美容液、シートマスクなどでよく見かけます。 メチルパラベンは、パラベン系の防腐成分の中でも配合の歴史が長く、乳液やクリーム など幅広い製品に使われてきました。エチルヘキシルグリセリンや 1,2-ヘキサンジオールは、それ自体に保湿感を持ちながら防腐成分の働きを助ける、 防腐補助成分として使われることが多い成分です。防腐成分の配合量には国の基準で 上限が定められていて、決められた範囲内で使うことがルールになっています。
酸化防止成分: 油の変質を防ぐ
トコフェロールはビタミンE系の成分で、オイルやクリームに含まれる油分が酸化する のを防ぐ目的で配合されます。ビタミン系の成分として、油分を使った処方に広く 使われています。
乳化成分: 水と油をなじませる
クリームや乳液は、本来なじまない水と油を混ぜてつくられていて、そのために乳化 成分が使われます。ステアリン酸グリセリルは、水分と油分をなじませてクリームの なめらかさを作る、乳化クリームの定番成分です。レシチンも乳化の働きを持つ成分で、 大豆や卵黄など天然由来のものが使われることもあります。
UVカット成分: 紫外線を反射・散乱させる
酸化チタンは白いミネラル粉体で、紫外線を反射・散乱させる目的で日焼け止めや ファンデーションに使われます。粒子の大きさによってナノタイプと通常タイプがあり、 ナノタイプの粉体を扱う製品では、使い方への配慮が呼びかけられることがあります。
「香料」は、ひとつの成分ではない
「香料」という表示は、単一の成分ではなく、複数の香りの成分をまとめて一つの 名前で表示できるルール上の名称です。同じ「香料」という表示でも、製品によって 実際に使われている成分の組み合わせは大きく異なります。日本の表示ルールでは、 香料の中身をひとつずつ開示する義務がないため、何が入っているかを表示だけから 知ることは難しいのが実情です。
これらの成分がパッケージのどの位置に表示されるかや、表示名称そのものの 読み方については化粧品の成分表示の読み方にまとめています。